天気がいいので、剪定が進んでおりまして、
ちょっと剪定の技術的な話になります。
前に大木の剪定についてお話ししました。
今剪定しているところは、樹齢50年以上の
大木が並んでいる場所です。結構高くて、
8尺脚立(240cm)の天板に立たないと切れ
ない枝も多いです。
そんな樹をずっと切っていると、心の中で
せめぎ合いが起きてきます。
今年一年で見るのか、数年後を見据えるのか
枝を見れば、今年良いのがなるのか、そうでない
かがわかります。さらに花芽を見ればすぐに
わかります。
良い枝というのは、栄養がしっかり行くので太く
なりやすいです。しかし、あまりに太くなると
今度は主枝(樹の骨格となる枝)を邪魔する存在
になってきます。ここで二つの想いが湧きます。
1.今年はいい実を成らせてくれる
2.来年は邪魔になる枝になる
1を優先させてしまうと、今年はいい実がなるの
ですが、来年はその枝が太くなり、骨格となる枝
を邪魔し、樹全体の樹勢をコントロールしにくく
なります。さらに骨格が崩れていきます。
2を優先させてしまうと、今年良い実がなるとこ
ろが少なくなり、品質が落ちます。こちらも樹勢を
コントロールしにくくなります。
バランスが重要
1と2をいい塩梅にするということです。
すごく抽象的な表現になってしまいました。
でもこれが剪定なのです。作物によっても
かなり違います。これがりんごになると
剪定した樹の反応が如実に出てくるので、
さくらんぼ農家だからと言って、簡単にりんごの
剪定をできるわけではないんです。もうすぐ
さくらんぼの剪定が終わりますので、りんごの
剪定について今度お話しします。
園主 顕太朗