専門的な話になるので、どちらかと言うとこれから農業をしたいと考えている方向けの内容になります。
通常、農作物が生産者からいろんなところを経由して消費者に届けられます。
(例)生産者→地元市場→消費地市場→量販店→消費者
この他にJAや仲買人、小売り商が間に入る場合があります。今まではこの流通があったので、生産者は栽培することだけに専念することが出来ました。
しかし、この流通経路ですと生産者が価格決定権を持つことが出来ないので経営において大きなリスクです。
工業製品ではないで天候に左右される農産物は、毎年収穫量が異なり、1~2割の誤差は当たり前です。さらに、経済情勢にも左右されます。需要が旺盛であれば価格は高くなるし、供給が多すぎると安くなります。
天候のリスクと情勢のリスクがあります。この二つは自分の力ではどうすることもできないものです。
なので、経費はあまり変わらなくても売上は毎年大きく変わることになります。
私が就農した頃はそんなリスクを毎年背負った経営をしていました。
二つのうち一つでもリスクを減らせれば、大きく経営は安定していきます。
そこで、中川果樹園では価格決定権を自分が持てるように、販売を個人のお客様を中心に、業者にもするようになりました。価格が決まっていて、毎年購入して下さる方がある程度見込めるので、気持ち的にとても楽になりました。
就農した頃は、りんごがいくらの値段で売れるのか?どのぐらいの売上になるのか?12月末にならないとわからなかったので、冷や冷やしていました。
農業経営に限ったことではありませんが、農業では特に不確定要素が多すぎるので、一つ一つのリスクを潰していくことが大事だと思います。
園主 顕太朗