さくらんぼの受粉についてお伝えします。
さくらんぼは1本の樹では受粉せず、実がならない性質を持っています。さらに、同じ品種同士も受粉しないのがやっかいです。自家不和合性と呼んでいます。
さくらんぼの花にはおしべとめしべがありますが、同じ品種の花粉がめしべについてもなることはありません。中心にめしべがあり、周りの黄色がおしべです。
なので、さくらんぼ畑に必ず2品種以上混在して植えることが重要なんです。
そのため中川果樹園では7品種、佐藤錦、紅秀峰、ナポレオン、紅さやか、高砂、紅てまりを植えています。
しかし、私が就農した頃は毎年のように受粉せず実がならないという畑がありました。その原因は明らかに
受粉樹不足
佐藤錦を少しでも多くしようと思って、畑の一部が佐藤錦のみという状態になっていました。結局実がならないので本末転倒なのですが、佐藤錦の量を少しでも多くするために樹の本数を増やした結果ならなくなってしまった。
それを改善するために、その年から出来る方法は
受粉樹の切り枝設置
この方法は簡単ですぐにでも誰でも出来る方法。
受粉樹の枝を切って、バケツに挿すだけ。
受粉樹を切って軽トラに載せて運びました。そして、毎年なりにくい園地に持っていって行きます。
あとは水を張ったバケツに切り枝を挿すだけ。
この方法で受粉はばっちり。
あたかもここに受粉樹があったかのように蜂たちがうまく受粉してくれます。さくらんぼの樹を植えて花が咲くまで7年ぐらいかかるので、毎年ならないところはこれでうまく補うことが出来ます。
ただ、今年は霜の影響でめしべが黒くなっているものがちらほら見受けられます。今後が心配です。
園主 顕太朗