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樹を伐採することも一つの経営判断

りんごの樹を伐採しました。決断しないとなかなかできないことです。

果樹農家にとって樹を切るというのは、当たり前だけど気持ちが折れる作業です。特に何年もかけて大きくなった枝を切る時も、迷いを振り切って切らなければなりません。そこには、今までかけた願いや思いがあるので、なかなか決断できないものです。

今回は、幼木を植えて7年経ったりんごの樹です。

山形の園芸試験場で開発されまして、食べておいしかったのでうちでも栽培しようと12本ほど植えました。3年前からなるようになって、栽培していく上でとても難しいことがわかってきました。

・樹によって性質がかなりばらつきがある
・樹によって熟期のばらつきがある
・一本の樹の中でもばらつきがある
・熟期がほんの数日しかない
・一本の樹を収穫するのに5回程まわらないといけない。

熟期の判断と何回も収穫しないといけないのが問題で、うちではそこまで対応できないという判断にしました。父とも相談して、倒すことに決めました。

こういうところが果樹栽培の難しさです。
おいしいからと思って植えてから、結果がわかってくるのは7年後ほど。実際に栽培してみないとわからない。

結局、この品種への投資は失敗

という結論に至ります。

チェンソーでかかった時間は20分。あっという間に切り終えました。


とても寂しい気持ちになりますが、これも一つの経営判断なのでしょうがないです。

果樹農家にとってはよくあることです。試験場でもさまざまな試験を繰り返しながら、世に出してくる新しい品種がうちの経営に合うかどうかは、実際に栽培してみないとわからないものです。

また違うりんごの品種を植えようと思います。世界にはりんごの品種が15000種ありますから、食べたことも栽培したこともない品種が沢山あります。なるまでのワクワク感もまた醍醐味です。

園主 顕太朗

園主中川顕太朗のプロフィール

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